食べること「スローフード」(2)
2011年 8月 26日 金曜日
BLOGカテゴリー: 食べること
先代より言われてきた、「よく噛んで食べなさい」「お米は八十八と書くでしょ、88回噛んでから飲み込みなさい」確かに胃に負担がかからず、よく噛んで唾液を混ぜて食べるに越したことはない、だが現実にはそう沢山噛んではいられない。それでは食べることが難しい食品であればどうだろう、多くの人達はそれらを、食べにくいと敬遠し、「食べてやろう」との努力もせず、そんな食品に関わる程ゆっくりした時間はないと、安易な食品に向かってしまう。とても食べにくい食品の勧めである、食するにはそのものが好きでなければいけないし、日頃食べるために訓練しなければ、いきなり美味しく上手には食べることは出来ない、還暦過ぎて食べたいと思ってももう遅い、とても面倒で、食べることが可能な部分を多く残すことになってしまう。それは殻付きであり、骨付きであり、食用可能部分以外の捨てる部分の多い食品の勧めである。野菜系の殻付きは比較的やさしい、枝豆は皆、殻付きを食べるでしょう、蚕豆、落花生、中国産ではカボチャ、西瓜などの種、それぞれ中身だけのものも販売されているが、殻付きの方が美味いし、食べるときの不便さが唾液の増加を招き、手で剥く手間が指の先の活性化に繋がる、中国人の種を口の中でより分ける技術は真似出来ないが、舌、歯、顎の運動には十分寄与しており健康にとっても大事な作業である。肉はどうだろう、大きな動物は肉部分が多く、鯨や牛や豚は比較的食べ易い、スペアーリブの骨にしっかり付いた部分や、テールシチュウが少し面倒になってくる、ここでお勧めは「豚足」である、和食には登場しないが、中華、韓国、西洋料理にはよく出てくる、アイスバインは少し太股に近くなるし骨も少ないが高級料理である、豚足は中に細かい軟骨や骨があり、丁寧に全て除去してある高級料理は別として、手間のかかる作業を経て口の中に入る、焼いたり蒸しただけの韓国系であればより難しい作業となる。フォークや箸では食べられず手掴みで食べることになる。次は鶏肉、ナゲット主流となってしまい、鶏はこの食べ方しか知らないとか、唐揚げでも骨付きだとびっくりしてしまう子供も多い。「手羽先」がお勧めである、最近名古屋の名物として上京し食材に並ぶことが多くなったが、腿肉の先の部分に旨味が凝縮している、唐揚げや煮込みにして、うまく2本の骨を分離して食べる。その先部分「手羽先先」はもっと大変、先端の細かい骨も選別しなければならなくなる、全て取りきる事は不可能でどこで妥協するか、手先、舌、歯の運動成果を確認して終了する。日本では殆ど食べられることはないが、香港や中国、東南アジア他の国々では、足の先も食べる「もみじ」と呼ばれる部分で黄色い鱗状の模様が付いていて、その薄皮部分を引きはがすように食べる、とても安価なメニューとなっていて庶民のビールの肴になっている、日本での膨大な量の「鶏足」はどこに行っているのだろうか?(以下次号)